定例研究会(大会プレシンポ)の案内

2016年度大会プレシンポジウムのお知らせ

9月3日(土)15時00分より、青山学院大青山キャンパス14号館8階の第10会議室にて2016年度大会シンポジウム「人口減少下の労働社会」に向けてプレシンポジウムを開催いたします。当日は各報告者にシンポジウムで報告予定の内容を示していただき、全体の調整と補充すべき内容の確認などを行います。会員の方々の参加を歓迎いたします。
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当日の報告者・コメンテーター
日本企業の変容について  木下武男 会員
女性労働について     清山玲 会員 *
高齢労働者について    高木朋代 会員 *
外国人労働者について   丹野清人 氏
コメンテーター:宮本みち子 氏
* 清山・高木両会員は都合により出席できないので報告要旨を研究活動委員が紹介する予定です。

大会シンポジウムの趣旨;
2016年2月26日に総務省が公表した『2015年国勢調査』の速報値によると、前回の調査(2010年)と比べて日本の人口は減少した。人口が減るのは、1920年の調査開始来、初めてのことである。また、2016年5月23日に厚生労働省が公表した『人口動態統計』によると、2015年の出生数から死亡数を引いた自然減数は28万4772人で、前年と比べた減少幅は過去最大となった。日本社会を表す言葉として「少子高齢化社会」が言われて久しいが、人口減少が現実のものとなり、その問題が社会に与える影響は今後ますます大きくなるものと予想される。
特に労働社会においては、労働力の減少や高齢化が進むことによって、これまでの働き方・働かせ方は嫌が上でも変容を迫られることになる。もともと、「企業社会」時代における男性労働者を中心とした働き方・働かせ方が、少子高齢化を発生させてきた主な原因の1つであった。そうした働き方・働かせ方はこれまでも見直しを求められてきたのだが、現状は必ずしも芳しくない。今後は少子高齢化に対応して、女性や高齢者の労働者も働き続けられるような環境整備を企業は今以上に求められるであろうし、外国人労働者の本格的な受け入れについても大きな争点になってくることが考えられる。
こうした状況を踏まえ、本年の大会においては「人口減少下の労働社会」と題し、㈰日本企業の変容、㈪女性労働、㈫高齢労働者、㈬外国人労働の4つの論点を設定した。討論を通じて、以下の諸点について検討を深めていきたい。
1)「企業社会」時代の働き方・働かせ方は、現在、どのように変容しているのか。少子高齢化の問題に対応した、労働環境・雇用条件の整備があまり進んでいない原因は何か。進めるために必要なこと。
2)女性労働:女性が働き続けていくことが困難な理由。改善策は何か。どうすれば改善策を実行できるか。女性の意識。
3)高齢労働者:高齢労働者の現状。高齢者の意識。高齢者が働く上で必要なことは何か。
4)外国人労働:受け入れはどこまで進んでいるか。受け入れるに当たっての課題。外国人労働者の現状。日本の労働市場に与える影響。

研究活動委員会 戸室健作 (2016年度大会シンポジウム担当)