日本労働社会学会幹事会は、内閣総理大臣による第25期日本学術会議会員候補の任命拒否に際して、以下の声明を公表します。
内閣総理大臣・菅義偉殿
学術会議より推薦された会員候補の任命拒否に抗議する
貴殿は、日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人の任命を拒否した。これは学術会議法第7条に違反し、適切な行政手続を著しく逸脱する暴挙である。日本学術会議は内閣総理大臣の私的な諮問機関ではない。それゆえ総理大臣の恣意によって会員を選別することは許されるものではなく、法に定められた適正な手続に則って行われなければならない。事実、学術会議が推薦した候補が任命されなかった例は過去に一度もない。こうした会員選任の手続は、学術研究の自由と自主性を保障することを目的として設定されたものであり、今次のような違法・恣意的な運用がなされることは、日本国憲法で保障された「学問の自由」の根幹を揺るがすものとも言わねばならない。
本学会は、日本学術会議法および憲法に違反する今次の措置を、ただちに撤回することを求めるものである。
2020年10月5日
日本労働社会学会幹事会
第32期代表幹事 中囿桐代