第30回大会 (於静岡大学浜松キャンパス)自由論題報告募集

日本労働社会学会第30回大会 (於静岡大学浜松キャンパス)自由論題報告を募集いたします。

日本労働社会学会第30回大会が、20181019日(金)~21日(日)の日程で、静岡大学(浜松)にて開催されます。大会二日目の10月20日(土)に自由論題報告を行います。以下の日程にて募集いたしますので奮ってご応募下さい。

731日(火) 自由論題報告エントリー締め切り

①氏名、②ふりがな、③所属、④住所、⑤TEL、⑥メールアドレス、⑦報告タイトル、⑧内容の簡単な紹介(100字程度、セッション分けの参考にします)、⑨プレゼン機器の使用の有無を、担当委員である今井順(上智大学)までお送りください。メールアドレスは、juni-mai”at”sophia.ac.jp (”at”@に変換すること)です。

8月29日(水)要旨の提出締め切り

報告タイトル、氏名、所属、要旨(文章、適宜小見出しを付けてください)を、ワードファイルA4の1頁(ポイントは標準の10.5、余白も標準の上35ミリ/左右下30 ミリを原則)にまとめ、上記のメールアドレスまでお送り下さい。行間などは、多少調整していただいても結構です。

なお大会日程は以下の予定です。

10月19日(金)工場見学

10月20日(土)自由論題報告

10月21日(日)シンポジウム

関西部会開催のお知らせ

関西部会開催のお知らせ

 

下記の日程で労働社会学会関西部会を開催します。

つきまして、報告希望者を募集いたします。

大阪経済大学の伊藤までその旨をメールにてお知らせ下さい。

 

t-ito[at]osaka-ue.ac.jp

[at]を@にかえて送信して下さい。

 

日時 2018年9月29日(土) 14:00−17:00

場所 大阪経済大学B32

http://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/

 

応募をお待ちしております。

 

 

 

第30期第2回研究例会のご案内

7月7日(土曜日)開催、第30期第2回研究例会のご案内

研究活動委員会

 

来る7月7日(土)、研究例会を開催いたします。ご報告いただくのは、荒井和樹さんと渡邊幸良さん、黄媚さんのお三方です。ご報告のタイトル・要旨は以下の通りです。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

 

日時: 7月7日(土) 15時30分~18時30分

場所:青山学院大学青山キャンパス14号館(総研ビル)9階15会議室

アクセス案内: http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/access.html

キャンパス案内: http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/aoyama.html

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【第一報告】

報告者: 荒井和樹 氏 (全国こども福祉センター)

報告タイトル: 若年女性とJKビジネスや性産業労働との関係性;コミュニティサイトの実態調査とアウトリーチ実践にもとづいて

報告要旨:

若年無業者や非正規雇用の増大など、若者を取り巻く就業環境は依然として厳しい状況が続いている。大学生などは就職活動を行う場合、リクナビなど就職支援サイトや求人サイトを利用するのが一般的であるが、これらのサイトを利用せず、繁華街や、コミュニティサイトをきっかけに、スカウト行為を受け、JKビジネスや性産業労働への従事する若者も存在する。そこで本稿では、登録のみにおけるコミュニティサイトの実態調査ならびに、繁華街とサイバー空間でアウトリーチ(直接接触型)を続ける特定非営利活動法人全国こども福祉センターの実践から、性産業やJKビジネス、スカウトと若年者との関係性について検討する。その結果、若年女性は男性よりも就労に関する好条件が掲示されたり、関係性構築が図られたりと優遇される傾向が見いだされた。また、センターの主催する相談や居場所事業を利用していても、その関係性が継続されていることが明らかになった。

 

【第二報告】

報告者: 渡邊幸良 氏 (同朋大学社会福祉学部)

報告タイトル: 方法論からみる労働問題研究

報告要旨:

日本の社会政策学会が継承したドイツの社会政策学会の研究対象は、社会問題、主に労働問題と政府の関与のあり方であったし、日本でもそうであった。そして、ドイツでは歴史学派に対する方法論争を経験していたし、日本では社会政策の本質論争があった。両論争は、演繹なの帰納なのか、純粋理論(理念型)なのか歴史・統計なのか、経済学なのか社会学なのか、やがて不毛な泥沼へと陥っていったが、社会政策を学として成り立たせていったことも事実である。

ところで、本質論争後、日本の労働問題研究は、労働市場論が導入されてから、急速な発展をとげるとともに、経済の全体構造分析からも労働問題研究内部における分化を促進して言語不通となる内部崩壊の危機にあると、隅谷三喜男氏から指摘されたことがあった。さらに、今日では、働き方改革によって、従来の雇用の概念が揺らぎ労働者性そのものが無視され、労働者保護立法からの大量の漏れの危険ととともに、労働とは何かという問い直しを迫られている。

そこで、本報告では、社会科学の方法論を吟味しながら、これからの労働問題研究の多元性を考える。

 

【第三報告】

報告者: 黄 媚 氏 (筑波大学人文社会系・研究員)

報告タイトル: 中国の市民社会と労働団体-国家コーポラティズムから「規制される」地方多元主義へ-

報告要旨:

中国の労働団体は、1978年の改革開放政策を打ち出し、市場経済体制を導入することによって、その位置づけ、役割および活動内容は、大きな変化を迎えるようになってきている。建国以来、中国が計画経済体制を受け入れ、労使関係は中国共産党・政府の管轄下に置かれてきた。中でも、労働者の頂上団体である中華全国総工会は、国家と労働者の間の利益伝達の唯一のルートとされ、労働者の生産性の向上、労働者の福利厚生の改善といった「国家コーポラティズム」の利益伝達システムを形成してきた。

しかしながら、1980年代以降、国有企業改革による終身雇用制度の崩壊、非公有制企業の急速な成長を受け、市場経済体制下において労使関係が複雑化し、特に労働者の権益侵害をめぐる事件もしばしば発生している。例えば、公式的データ(『中国統計年鑑』、『中国労働統計年鑑』)によると、政府が労働争議を処理する件数は1996年の48,121件から、2007年の350,182件に達しており、(2007年)一日に全国では960件の労働争議が発生していると読み取られる。一方で、政府の公式的な労働団体である中華全国総工会は、党・政府による人事・資金・活動指針の統制・管理を受けているため、労働者の権益を代弁する利益団体への脱皮を遂げることができない状況にとどまっている。

それに対して、1990年代後半より、労働者の権益を保護する草の根NGOが全国各地で続々と設立されるようになっている。これらの団体は、労働者の権益保護への支援、賃金の交渉、労働環境の改善、労働者向けの教育など多分野にわたって、活動を展開している。本報告は、中国の市民社会における労働団体の位置づけを踏まえたうえ、計画経済体制から市場経済体制への移行に伴う労働団体の活動・役割の変化、さらに近年増え続ける草の根労働団体の実態を説明することとする。